突然死もまねく、疲労なき疲労!疲労感のマスキングに惑わされないポイントとは?
「仕事中に考えがまとまらない」「ついぼんやりしてしまう」、あるいは「体がだるい」「肩がこる」など、さまざまな変化や症状を経験している現代人は多いとおもいます。
しかし、「疲労」は、実はある程度蓄積されてから起こります。
長時間デスクワークや勉強をしていて「飽きてきたな」これが最初のサイン。
休憩する、リフレッシュするなど対応しないでいると、次にやってくるのは「眠気」です。
集中しているつもりなのに、あくびが出ること、ありますよね。脳は数千を超える神経細胞の塊で、複雑に連携し合って働いています。
同じ回路だけ集中して負荷がかかると、休息を促すように飽きたり眠くなったりするのです。
脳が発しているそんなサインを毎日のようにやり過ごし、フル回転している神経細胞を十分に回復させないでいると……心身の不快感や痛みといった「疲労」が生じます。
「疲労」を感じていても、達成感があれば疲れは吹き飛んでしまう!そんな経験がある方はとても多いと思います。
しかしそれは、実は脳がそう感じているだけなのです。
例えば、時にクライアントに嫌味をいわれたりしながら、それでも徹夜続きでがんばったプロジェクトがあるとします。
体も心も、当然ボロボロです。
でも、そのプロジェクトが大成功をおさめ、「よくやった!」と褒められたりしたら、きっと疲れも吹っ飛んでしまうと思います。
疲れがたまっているのにそれを認識できない、疲労感なき疲労です。その先に潜む最悪のケースが過労死や突然死です。
運動とか体を使ったときの疲れは自覚しやすいけど、たとえばデスクワークしているだけだと疲れたという感覚を持たないことが多いです。
大きなプロジェクトを成し遂げた後の他にも、成果を出して昇級したなどで意欲や達成感が高まり、興奮状態、幸福感や高揚感に包まれていると、
脳は体からの警告を無視して疲れを疲労感に変換しないことがあります。
疲労していても、それを感じられない。そんなギャップが生じる原因は2つあります。
「疲労が起こっている」のは、脳内の自律神経中枢です。
そして「疲労を自覚する」のは、眼窩前頭野と呼ばれる場所です。
このように、同じ脳内でも領域が異なるため、ギャップが生じるというのが一つ。
そしてもう一つは、先ほどの例のように、やりがいや達成感が疲労感を覆い隠してしまう錯覚です。
研究者の間では、これを「疲労感のマスキング」と呼んでいます。平易に言い換えれば、「隠れ疲労」です。
昨今大きな社会問題となっている過労死も、隠れ疲労が積もり積もって起きているケースがあります。
「疲れた」と感じなければ疲れていないのではなく、本当は疲れているのに自覚できていないだけ。これを念頭に置いて、「飽きた」や「眠い」のサインを意識してみてください。